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眼科疾患

64歳男性、緑内障 (武蔵小杉病院 眼科 鈴木久晴)

概要

先日、妻に勧められて行った人間ドックにおける健康診断にて眼底の異常を指摘されて、精査目的にて来院。毎年、人間ドックにおいて緑内障の疑いと言われている。しかし、現在までは眼科を受診して視野検査を受けても緑内障ではないと言われていた。タバコは吸わず、今まで病気にかかって病院に通ったという記憶がないくらい健康には自信を持っている。現在、仕事はしていないが、趣味で日々忙しい、今回はたまたまこの病院の近くにいたので精査して欲しいとのこと。

初診時現症

視力:右=0.3(1.5×-3.25)、左=0.09(1.5×-4.5=cyl-0.5A90°)
眼圧:右=19mmHg、左=16mmHg、
・散瞳検査にて前眼部、中間透光体には大きな異常はない。
・眼底検査にて両眼とも視神経乳頭の陥凹を認めた。
・初期の緑内障を疑う。

主な検査所見など

視力:右=0.3(1.5×-3.25)、左=0.09(1.5×-4.5=cyl-0.5A90°)
眼圧:右=19mmHg、左=16mmHg、
・散瞳検査にて前眼部、中間透光体には大きな異常はない。
・眼底検査にて両眼とも視神経乳頭の陥凹を認めた。
・初期の緑内障を疑う。

診断と鑑別診断

診断:緑内障
 鑑別:・強度近視性の視神経乳頭
    ・傾斜乳頭

症例3 視神経乳頭のOCT画像による解析

症例3 視神経乳頭のOCT画像による解析.pdf

治療方針

OCT検査の結果、両眼に神経線維束欠損を認めたが、右眼のみに視野検査で神経線維束欠損と視野欠損が一致する部分があり、初期の緑内障と診断した。今後は、何回か眼圧を測定後にベースラインを調べた後に、眼圧を下げる点眼薬による治療を開始する予定とした。

治療経過の総括と解説

【緑内障の治療経過の総括と解説】
 今回の検査にて緑内障と診断することができたが、初期性の変化であるため、何回か眼圧を測定して眼圧のベースラインを作ることと、数ヵ月後に再度視野検査を施工し、病状の進行具合をみることとしたが、次回の検査予約日に来院しなかった。よって、来院するように患者には連絡している。緑内障は、初期の段階では自覚症状が現れずに本症例のように健康診断で眼底の異常を指摘されて眼科に来院する場合が多い。初期の段階で緑内障と診断され適切な治療を開始することが出来れば、視野の進行を遅らせたり、止めることもできる。緑内障で有効とされている治療は眼圧を下げることである。最初は点眼薬によってコントロールするが、点眼薬でコントロールできない場合は手術が必要となる場合もある。また、点眼薬も一度使用すれば治るというわけではなく続けることが大切である。緑内障は慢性疾患であるため、一生病気と付き合うという覚悟が大事である。よって緑内障と診断された場合には眼科に通院することが必須なのである。

参考文献