新宿漢方クリニック 保険診療終了のお知らせ
長年にわたりこの新宿御苑の地で地域医療に携わってまいりましたが、
本年末12月27日を持ちまして新宿漢方クリニックにおける保険診療を全て終了させていただくこととなりました。煎じ薬の処方調合も終了いたします。
これに伴い、新宿漢方クリニックの名称を廃止予定です。
これまで多くの皆様にご支援いただきましたこと心よりお礼申し上げます。
今後は日曜日限定で、三焦鍼法施術を継続してまいります。
三焦鍼法の臨床・教育・普及のために、全国のGold-QPD鍼灸師仲間と連携しながら精進活動してゆく所存です。
通院されている患者様はじめ皆様には大変ご不便をおかけすることになり申し訳ございませんが、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。
令和7年11月27日
新宿漢方クリニック
院長 川並 汪一
区民ニュースインタビュー
これまでの経歴についてお伺いしてもいいですか?
日本医科大学と同大学院を卒業し、その後ヨーロッパやアメリカの施設で経験を積み、日本医科大学に戻り大学院教授に就任しました。
2007年に文部科学省戦略的基盤研究社会連携事業助成金を獲得し『街ぐるみ認知症相談センター』を開設しました(現日本医科大学武蔵小杉病院内)。その活動の一環として開催した認知症国際フォーラム『東洋医学が認知症に挑む』で三焦鍼法を知ることになったのです。
ということは、川並院長はそのキャリアの大半は西洋医学に携わっていたということですか?
その通りです。国際フォーラムで三焦鍼法に初めて触れて、これまでにない大きなインパクトを感じました。天津中医薬大学の韓景献教授に施術法や様々なエビデンスを開示していただき、これはすごいなとなったわけです。そうしたことで現在では、一般社団法人老人病研究会を中心に三焦鍼法治療を全国の鍼灸師と医師に普及する活動をし、現在までに230余名のGold-QPD 鍼灸師を育ててきました。
三焦鍼法(さんしょうしんぽう)は初めて聞いたのですがどういったものなの でしょうか?
三焦鍼法とは中国の天津中医薬大学の韓景献教授チームが、抗加齢・健康長寿のために開発した治療法です。そもそも三焦とは三焦気化の調節(気エネルギーの産生と活性化調整)という角度から老化を遅らせ、老年病の予防と治療を目的とします。つまり、簡単に言えば、三焦は、
(1)人体の生命活動の原動力である『気』、『気』の母である『血』、体を潤す『津液』という要素を作り出す。
(2)三焦は『気』『血』『津液』を体中に循環させる役割も果たす。
(3)臓腑(内臓)機能の協調バランスをとる役割を果たす。
現代医学でいう、自律神経の役割の一部を担っているといえます。この施術法は一般の鍼施術と違い、認知症やメンタル疾患に高い効果を示す事実が、さまざまな治療エビデンスから明らかになっています。西洋医学で容易に解決できない病気を、三焦鍼法により快方に向かわせることができるのです。コロナ後遺症には三焦鍼法しかない!ともいえます。
三焦鍼法に関してお伺いしてきましたが、タイトルにもある通り、コロナの後遺症にも効果があるということですか?
まさにそこが、読んでいただく方にお届けしたい点です。
コロナ後遺症は新型コロナウイルスによって引き起こされた症状です。ウイルスは、脳、気道、肺、心、胃腸、肝などほとんどの臓器細胞や血管内皮細胞に感染する可能性があります。ウイルスは細胞に侵入して増殖し、周囲の細胞に老化を促し炎症を起こし、症状としては疲労 倦怠、息切れ、動悸、ブレインフォグ、疼痛、五感の異常(味覚、嗅覚、視覚)などで丁度自律神経不調の特徴に一致します。
この自律神経不調の症状に先端医学は対応できないのが現状です。三焦鍼法はその盲点をカバーできる数少ない治療法と言っていいのです。後遺症患者に三焦鍼法は週 1~2 回のペースでじっくり施術することが肝要です。徐々に症状が落ち着き『やる気の復活』が出てくるのも特徴です。
これまで知らなかった三焦鍼法のことが分かり始めてきました!すごいですね!三焦鍼法の施術を受けられるところはどこにあるんですか?
新宿漢方クリニックには、一般社団法人老人病研究会の本部があり私が育成に関わった全国240余名のGold-QPD鍼灸師の治療事例の情報がここに集まってきます。そのため、豊富な治療事例の情報に裏打ちされた施術を提供できます。さらに必要なら漢方と通常薬の処方、さらに食事コンサルテーションなどの対応をしております。
一方、全国からのご要望に応じ、その地域近隣の Gold-QPD 鍼灸師の紹介もしております。現在は、一般社団法人老人病研究会の「三焦鍼法実践セミナー」を介し、オンライン講座、Zoom ミーティング、対面手技トレーニングにより鍼灸師教育を実施中です。また、Gold-QPD 生涯学習クラブを準備しつつあります。
(三焦鍼法実践セミナーの受講申請書受付はこちら http://gochojunet.com)
(鍼灸専門学校学生や総合診療科の医師も受講可能です)
インタビュー後記
私の浅薄な知識では、鍼灸は健康促進のためにするものだという認識でしたが、ここまで治療という観点で行われる三焦鍼法には驚きが隠せませんでした。何よりも、その三焦鍼法の日本における第一人者である川並院長ご自身が西洋医学における先端医療の研究医でいらっしゃったという事実。30年の経験が180 度変わるほどの衝撃とはいかほどのものなのでしょうか。今回のインタビューは、一人でも多くの苦しまれている人の力になりたいという川並院長の想いが伝わってくるものでした。今月からマスクからも解放され、少しずつかつての世界に近づいてきたという印象がある中ですが、そんな日常にも確実に後遺症という暗い影が存在します。先端医学でははっきりとした治療法を見つけることが出来ず苦しい想いをされている方は是非三焦鍼法を試してほしいと思います。
お問い合わせ
新宿漢方クリニック
〒160-0022 東京都新宿区新宿 1-29-8 公衛ビル 3F
TEL:03-6273-2209 HP:http://tcm-kampo.com/
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい