「糖尿病は三焦の消」消渇の病といわれる。
最初は口渇と多飲から始まるので部位分けとしての三焦と同様に考えられる。上焦は心肺、中焦は脾胃、下焦は腎と関係し、上消は肺消、中消は脾消・胃消、下消は腎消、すなわち肺陰虚、脾陰虚、胃陰虚、腎陰虚と捉えることも出来る。
糖尿病の漢方治療
治療としては、身体の陰分を補うとしても、精や血ではなく、水が不足している状態なので水分の虚に対しては、水を補給しないといけないが、出て行ってしまう消渇はかなり難しい疾患になります。 水の生成は脾が行い、水の循環は肺が関わり、水の排泄は腎が行うので、この3臓の機能を高めていくことになる。水の通路は三焦、水が溜められているのが膀胱なのでこの2腑も治療で加えていくことが必要です。 消渇とか飲水病といわれ,江戸時代に本間棗軒(玄調)の《内科秘録》が最も詳しい。 “「消渇(しょうかつ)」特徴的な肺・脾・腎の症状 「上消(じょうしょう)(軽度・肺の症状)」口が渇き多飲になる、 br> 「中消(ちゅうしょう)(中度・胃の症状)」食欲が過剰で多食になる、 br> 「下消(げしょう)(重度・腎の症状)」尿量が異常に多くなる三消に区別、 br> 約千年前からそれぞれに応じた治療が行われてきました。
牛車腎気丸は、八味地黄丸に牛膝と車前子を加えた特に神経障害のしびれに有効である。メコバラミンとの比較試験においても有意に高い改善効果を示し、中でも血糖コントロールが良好で肥満でない高齢者に有効例が多い。 しびれなどの自覚症状に対しては、投与開始から2~4週間で効果を判断します。自覚症状に現れない腎症などに用いる場合は数カ月後の尿検査所見で判定し改善がなければ中止する。
糖尿病治療における漢方の今後
牛車腎気丸にみられる多彩な薬理作用は、証が合えば漢方薬1剤で西洋薬数剤分の作用に相当するので、医療経済的にも注目される。糖尿病に対する漢方薬の効果は徐々にエビデンスが蓄積されつつあり、有効性のさらなる解明が期待される。
糖尿病は紀元前15世紀にエジプトのパピルスに記載
その後紀元2世紀頃に「ディアベテスは不思議な病気で、肉や手足が尿の中に溶けだしてしまう。その後18世紀になって尿中に糖が増えていることが証明され、メリトス(はちみつ)を古来のディアベテスに付け ディアベテス・メリトス(糖尿病はその日本語訳)と名付けられた。 東洋では紀元前10世紀頃インドでススルタ大医典に糖尿病症状が記述されている。 黄帝内経の「素問」(Q&A)、「霊枢」(鍼)や「金匱方論」には糖尿病として "消渇"と"多尿"が記されている。 のどが乾き皮膚や粘膜が乾燥し、水をたくさん飲み多尿となる。よく食べるが、食べても痩せるということも書かれています。 糖尿病の尿糖やインポテンスなどについてについては外台秘要(752)に記述されている。 「千金方」(65)には"腎虚"という言葉がみられる。